運送約款　JR旅客営業規則「乗車券・回数券・払戻し」

JR旅客営業規則「乗車券・回数券・払戻し」

航空約款や他の運送約款と同様に、JR旅客営業規則にも発売日や有効期間、乗車日の変更やキャンセルによる払戻しなど、いろいろな決まりがあります。

乗車券の発売日

1. 普通乗車券
   • 搭乗日に購入（原則）
     ※指定券を伴う場合は、指定券の発売日に乗車券も購入できる。
2. 指定券
   • 始発駅出発日の1カ月前から発売（午前10時）
     ex.
     ①8月31日に乗車予定⇨7月31日から発売
     ②7月31日に乗車予定⇨7月1日から発売
     ※同一日がない場合は次の日になる。

乗車券の有効期間

普通乗車券の有効期間は以下のとおりです。有効期間の算出は、幹線・地方交通線にかかわらず、営業キロで計算されます。

有効期間（その他）

普通乗車券の有効期間は営業キロにより有効日数が決められていますが、路線や券の種類（指定券・グリーン券・回数券・定期券など）によりそれぞれ決められた有効期間が設定されています。

1. 往復乗車券：片道乗車券の2倍
2. 連続乗車券：それぞれの区間の有効期間の合計
3. 指定券：表示された日時の列車に限り有効
4. 自由席特急券、急行列車の自由席グリーン券：発売日当日に限り有効
5. 普通・快速列車の自由席グリーン券：発売日当日に限り有効
6. 大都市近郊区間相互発着の乗車券：営業キロ数にかかわらず、発売日当日に限り有効
   ※大都市近郊区間：東京近郊、大阪近郊、福岡近郊、新潟近郊、仙台近郊
7. 普通回数乗車券の有効期間：3ヶ月
   ※通学用割引普通回数乗車券の有効期間：1ヶ月
8. 定期乗車券の有効期間：1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月

乗車券等の紛失

1. 再度購入しなければならない。
   • 再購入した券面には「紛失再」と表示される。
2. 旅行終了駅で、再購入した乗車券等に「再収受証明印」を押してもらい保管する。
3. 紛失した乗車券等が見つかった場合、再購入した券と併せて提出すると払戻しが受けられる。
4. 払戻期間は1年間
5. 払戻し手数料
   • 乗車券、自由席特急券：220円
   • 指定席特急券：340円

途中下車

途中下車は、基本的に進行方向を後戻りしなければ、目的地まで何回でも途中下車することができます。

1. 乗車券は後戻りしない限り何回でも途中下車することができる。
2. ＜例外＞　
   以下の乗車券は途中下車することができない。
   • 片道の営業キロが100キロメートルまでの普通乗車券
   • 大都市近郊区間内のみ（東京・仙台・新潟・大阪・福岡）利用の場合の普通乗車券
   • 山手線内発着または特定の都区市内発着となる乗車券
   • 回数券
   • 特急券、急行券、グリーン券、寝台券、指定席券、乗車整理券、ライナー券

乗車変更

1.使用開始前

• 1回に限り手数料なしで変更できる。（乗車券類変更）
• 変更時に運賃・料金の過不足額を収受または払い戻す。
• 団体乗車券で指定席を変更する場合、乗車駅を出発する2時間前に申し出る。

2.使用開始後

• 不足分の運賃・料金は支払わなければならないが、過剰金の払戻しはない。

3.乗遅れ

• その指定券は無効になり、乗車変更や払戻しができないが、当日中に限り、後続の普通車自由席に乗車することができる。
• 全車指定席の新幹線（はやぶさ、こまち、かがやきなど）の指定席特急券を購入した旅客が乗り遅れた場合、同日中に限り、後続列車の立席で利用することができる。
• 未指定特急券を発売している在来線特急（あずさ、成田エクスプレスなど）の指定席特急券を購入した旅客が乗り遅れた場合、同日中に限り、後続列車の立席で利用することができる。
  ※普通車指定席に空席がある場合は、空席の利用も可能。

払戻し

1.旅行開始前

• 以下の払戻手数料を支払って払戻すことができる。
• 払戻手数料は大人・小児同額
• 往復乗車券と連続乗車券は、あわせて1枚として手数料を計算する。
• 列車の出発日またはその前日にいったん変更した指定券（立席特急券を除く）を払いもどすときには払戻し手数料30％がかかる。

• 2種類の料金券（一葉券）（特急券とグリーン券または寝台券、急行券と指定券など）を払戻すときの手数料は、グリーン券、寝台券、指定席券の分のみの手数料が発生する。
  • 特急券とグリーン券 ⇨ グリーン券のみ
  • グリーン券とグランクラス⇨2つを合算した金額に手数料が発生する。
    ※グランクラスもグリーン券で統一されている。
  • 急行券と指定席券 ⇨ 指定席券のみ
  • 特急券と寝台券⇨寝台券のみ

過去問「払戻し」

過去問　JR運賃・料金「払戻し」

過去問（平成28年） 次のＪＲ券を4月10日に払いもどしした場合の払いもどし額について、正しいものはどれか。 ア.7,070円−220円−340円＝ 6,510円 イ.7,070円−220円−340円×2＝ 6,170円 ウ.7,070円−

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2.旅行開始後

片道乗車券

• 使用開始後の乗車券でも、有効期間内であって未使用区間が100㎞を超えている場合は払戻しができる。
• すでに乗車した区間の運賃と手数料220円を差し引いた残金を払戻す。

往復乗車券・連続乗車券

• 往復乗車券や連続乗車券の未使用分を払戻す場合、「旅行開始前」の払戻しが適用される。
• 割引が適用された往復乗車券乗車券の場合、「無割引の片道運賃」と手数料220円を差し引いた残額を払戻す。

ex. 片道3,000円で往復5,000円の往復乗車券を購入し、その後復路（帰り）分を払戻す場合
5,000円（購入額）から3,000円（無割引の片道運賃）と手数料220円を差し引く
⇨1,780円を払戻す。

3.運行不能・遅延の払戻し

天候や事故などにより列車が運休したり運行ダイヤが大幅に遅延することがあります。JR旅客営業規則では、運行不能や遅延が発生した場合、以下のような対応を行います。

1.旅行開始前の運行不能

• 手数料なしで全額を払戻す。

2.旅行開始後の運行中止

• 不乗区間（未使用区間）の運賃と全区間の料金（特急券、急行券など）を手数料なしで払戻す。
  ※寝台料金は、使用開始後朝6時までの間に一部区間または全区間を利用出来なかった場合に限り、全額払戻す。

3.旅行を中止して出発駅へ戻る場合

• 手数料なしで運賃・料金の全額払戻す。
  ※途中下車はできない。

4．事故等による遅延

• 特急・急行列車が到着時刻より2時間以上遅れた場合は、特急・急行料金の全額を払戻す。

回数券の種類

確認テスト

確認テスト　運送約款「JR旅客営業規則」

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