国内旅行実務 JR運賃・料金「有効期間・払戻し」


乗車券の有効期間についての説明です。有効期間は、営業キロにより算出されますが、そのキロ数にかかわらず、適用されない区間もあります。
乗車券の有効期間 | |
100kmまで | 当日限り |
101km〜200km | 2日 |
201km〜400km | 3日 |
401km〜600km | 4日 |
601km〜 | 以降、200kmごとに1日増える |
1.幹線、地方交通線のどちらも営業キロで計算する | |
2.往復乗車券は、片道乗車券の2倍 | |
3.指定券は、表示された日時に限り有効 | |
4.連続乗車券は、それぞれの区間の営業キロに応じた有効期間を合算したもの | |
5.普通回数乗車券は3ヶ月 ・新幹線回数券:3ヶ月 ・通学用割引普通回数乗車券:1ヶ月 |
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6.定期乗車券は、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月 |
営業キロにかかわらず、発売当日限り有効な乗車券もあります。
有効期間が当日限りの乗車券 |
1.大都市近郊区間相互発着の乗車券 ・大都市近郊区間:東京近郊、大阪近郊、福岡近郊、新潟近郊、仙台近郊 |
2.自由席特急券、急行列車の自由席グリーン券 |
3.普通・快速列車の自由席グリーン券 |

「途中下車」とは、旅行途中(乗車券の区間内)の駅でいったん改札口の外に出ることをいいます。乗車券は、後戻りしない限り何回でも途中下車することができますが、以下の場合は途中下車することができません。
途中下車ができない場合 |
1.片道の営業キロが100kmまでの普通乗車券 |
2.大都市近郊区間内のみを利用の場合の普通乗車券 |
3.回数券 |
4.一部のトクトクきっぷ |
5.特急券、急行券、グリーン券、寝台券、指定席券、乗車整理券 |
6.山手線内や特定の都区市内発着となる乗車券は、それぞれ同じゾーンの駅では途中下車ができない |
運賃・料金の払戻しについての説明です。本試験の出題頻度も多い部分ですので、しっかりと覚えましょう。
運賃・料金の払戻し | |||
乗車券の種類 | 払戻し条件 | 手数料 | |
普通乗車券 回数乗車券 定期券 急行券 自由席特急券 特定特急券 自由席グリーン券 |
使用開始前で有効期間内 | 220円 | |
指定券 | 立席特急券 | 出発時刻まで | |
指定席特急券 指定席グリーン券 寝台券 指定席券 |
列車出発日の2日前まで | 340円 | |
出発日の前日から出発時刻まで | 料金額の30%(最低340円) |
1.払戻手数料は大人・小児同額 |
2.往復乗車券と連続乗車券は、あわせて1枚として手数料を計算する |
3.使用開始後の乗車券でも、未使用区間が100㎞を超えていて有効期間内であれば払戻しができる |
4.2種類の料金券(一葉券)(特急券とグリーン券または寝台券、急行券と指定券など)を払戻すときの手数料は、グリーン券、寝台券、指定席券の分のみの手数料が発生する |
過去問(平成28年) |
次のJR券を4月10日に払いもどしした場合の払いもどし額について、正しいものはどれか。 |
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ア.7,070円−220円−340円= 6,510円 イ.7,070円−220円−340円×2= 6,170円 ウ.7,070円−340円= 6,730円 エ.7,070円−340円×2= 6,390円 |
問題のポイントを整理すると、
この券は、乗車券と特急券、それにグリーン券が含まれており、特急券とグリーン券が一葉化されているため、取消手数料の対象は、有効期間内の乗車券220円とグリーン券340円になります。
以上から、 選択肢ア.7,070円−220円−340円= 6,510円 が正解です。
正解:ア
過去問(平成25年総合) |
乗車券類の取り扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 |
a. 函館・宗谷本線の札幌〜稚内間(営業キロ 396.2 km、運賃計算キロ 422.1 km)の片道乗車券は、3日間の有効期間がある。 |
b. 大阪近郊区間内相互発着となる大阪〜彦根間(営業キロ 104.5 km)の片道乗車券は、2日間の有効期間がある。 |
c. 自由席特急券は、営業キロが 100 km までは1日、100 km を超えるときは2日間の有効期間がある。 |
d. 普通回数乗車券は、1カ月間以内に限り有効である。 |
選択肢a. 函館・宗谷本線の札幌〜稚内間(営業キロ 396.2 km、運賃計算キロ 422.1 km)の片道乗車券は、3日間の有効期間がある。 |
そのとおり。有効期間の計算は営業キロを使うため、この場合は400㎞で3日間です。
選択肢b. 大阪近郊区間内相互発着となる大阪〜彦根間(営業キロ 104.5 km)の片道乗車券は、2日間の有効期間がある。 |
大都市近郊区間の有効期間は、距離に関係なく1日です。
選択肢c. 自由席特急券は、営業キロが 100 km までは1日、100 km を超えるときは2日間の有効期間がある。 |
自由席特急券の有効期間は当日限りです。
選択肢d. 普通回数乗車券は、1カ月間以内に限り有効である。 |
普通回数乗車券の有効期間は、3ヶ月間です。
正解:a