貸切バス約款「運賃・料金・キャンセル・払戻し」
運賃・料金
旅行業法「旅行業務取扱料金」では料金を掲示する義務について解説しましたが、バス会社も同様に運賃・料金を掲示する義務があります。
バス会社が収受する運賃および料金
- 乗車時において地方運輸局長に届け出て実施しているものを適用する。
- 運賃及び料金は、営業所その他の事業所に掲示しなければならない。
運賃の割引・割増し
バス会社は、ある一定の条件のもとに、運賃の割引や割増しを行います。
運賃の割引
地方運輸局長に届け出たところにより、区間もしくは期間を限り、または一定の旅客に対して、運賃を割引く。
- 学校教育法第1条に規定する学校(大学及び高等専門学校を除く)に通学はまた通園する者の団体で、当該学校の責任者が引率し、かつ、当該学校の長が発行する証明書を提出したもの。(学割)
- 児童福祉法第7条、身体障害者福祉法第5条に規定する施設に収容されている者の団体で、当該施設の責任者が引率し、かつ、当該施設の長の発行する証明書を提出したもの。
運賃の割増し
地方運輸局長に届け出たところにより、特別な設備を施した車両を使用する場合等には、運賃を割増す。
バスの運行費用の他、ガイド料、有料道路利用料、航送料、駐車料、乗務員の宿泊費等当該運送に関連する費用は、契約責任者の負担の負担となります。
運賃・料金の支払時期
- 運送申込書を提出するときに、所定の運賃および料金の20%以上を支払う。
- 配車の日の前日までに所定の運賃及び料金の残額を支払う。
- 以下に掲げる者との間で運賃及び料金の支払時期について特別の定めをすることがある。(運賃・料金の後払い等)(例外)
- 官公署
- 学校教育法第1条に規定する学校
- 児童福祉法、身体障害者福祉法、障害者自立支援法に規定する施設
- バス会社と常時取引のある者
キャンセル(違約料)
契約責任者は、都合により運送契約のキャンセルをする場合、一定の基準にしたがって、バス会社に違約料を支払わなければなりません。
違約料
- 契約責任者の都合により運送契約を解除するときは、以下の表に記した違約料が発生する。
配車日の14日前から8日前まで | 運賃・料金の20%に相当する額 |
配車日の7日前から配車日時の24時間前まで | 運賃・料金の30%に相当する額 |
24時間前から配車時日時(時刻)まで | 運賃・料金の50%に相当する額 |
バス台数変更
- 契約責任者(団体)が自己都合によりバスの台数を変更したことにより、バスの台数が20%以上減少した場合、上の表の割合で違約料が発生する。
ex.1台10万円でバス10台を予約、10日前に3台キャンセルで合計7台に変更した場合
違約金が発生する要件は20%以上の車両数の減少なので、この場合、3/10台で30%の台数が減少したことになり違約金が発生する。
⇨10日前なので1台につき20%の違約金が発生
10万円×20%×3台=6万円
契約責任者は、6万円の違約金を支払わなければならない。
違約金が発生する要件は20%以上の車両数の減少なので、この場合、3/10台で30%の台数が減少したことになり違約金が発生する。
⇨10日前なので1台につき20%の違約金が発生
10万円×20%×3台=6万円
契約責任者は、6万円の違約金を支払わなければならない。
運賃・料金の精算
バス会社は、何らなの事由によりバスの運行を途中で中止、または行程の変更をせざるを得ない状況が発生する場合があります。
- 運行行程の変更その他の事由により当該運送に係る運賃および料金に変更を生じたときは、速やかに精算し、その結果に基づいて、運賃および料金の追徴または払戻しをおこなう。
- 自動車の故障そのバス会社の責に帰すべき事由により、自動車の運行を中止したときは、以下の区分による運賃及び料金の払戻す。
- 目的地の一部にも到達しなかった場合:収受した運賃及び料金の全額
- 途中で運行を中止した場合:中止した区間に係る運賃及び料金の額
- バス会社の負担で運送の継続またはこれに代わる相当の手段を提供した場合で、旅客がこれを利用したときには、前項の規定は適用しない。(中止した区間の費用を払い戻さない)
配車日時に旅客が乗車しない場合
何らかの事情により、旅行当日に旅行者が現れない場合があります。その場合、バス会社は以下のような対応をします。
- 乗車券の券面に記載した配車日時に所定の配車をした場合において、出発時刻から30分を経過しても旅客が乗車についての意思表示をしないとき。
- 当該車両について当該運送契約に係る運送の全部が終了したものとみなす。
- 運賃及び料金の払戻はない。
- 天災地変その他やむを得ない事由による遅刻などの場合は、適用されない。
確認テスト
確認テスト 運送約款「貸切バス約款」
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