旅行業法「標識」


旅行業法「標識」では、前項「旅行業務取扱料金」「旅行業約款」との相違点を比較しながら出題ポイントを整理していきます。

標識とは(登録票)

登録行政庁より登録を受け、健全な経営ができると認められた旅行業者であることを示すもので、登録を受けた旅行業者は、標識を営業所に掲示する義務がある。 (レストランなどで見かける営業許可証と同じ)

掲示方法の比較

標識公衆に見やすいように必ず掲示国土交通省令で定める様式
旅行業務取扱料金旅行者に見やすいように必ず掲示国土交通省令の基準
旅行業約款旅行者に見やすいように掲示または備え置き登録行政庁の認可

混乱したときは、これらの性質を考えてみましょう。

標識は「登録票」なので、「ガク」などに入って営業所に掲示してあるもので、旅行客に配布するために「備え置く(用意しておく)」ものではありません。旅行業務取扱料金も料金表と考えると、「備え置く」というよりレストランの壁に貼られた「メニュー表」のようなイメージ。それに対し旅行業約款は「パンフレット」などの印刷物であり、性質上、旅行客に配布するものであるので「備え置き(準備しておく)」が必要です。

また、標識は、旅行客に限らず全ての人に適正に営業をしていることを証明する「登録票」であるので、「公衆」に見やすいように掲示しなければなりません。対して旅行業務取扱料金と旅行業約款は、ターゲットが旅行客であるので、「旅行客」に見やすいように掲示しなければなりません。

標識の様式

標識の様式についてみてみましょう。車のナンバープレートのように、その取り扱う地域により使用する色が違います。

  1. 国土交通省令で定める様式を使用する
  2. 取り扱う地域により異なる色を使用する
    • 海外・国内:青色
    • 国内旅行のみ:白色
  3. 旅行業者と旅行業者代理業者は異なる様式を使用する色は同じ
    • 海外・国内:青色
    • 国内旅行のみ:白色

標識の記載事項

  1. 登録番号
  2. 登録年月日
  3. 有効期限
    • 旅行業者代理業者の登録の有効期限はない
  4. 氏名または名称
    • 会社名であり代表者の氏名ではない
  5. 営業所の名称
  6. 旅行業務取扱管理者の氏名
    • 標識には旅行業務取扱管理者の氏名が記載されるが、旅行業約款には記載義務がない。標識は営業所に掲示するもの(登録票)であるのに対し、旅行業約款はパンフレットなどに大量に印刷されるため、旅行業約款の記載事項に入っていない(管理者が代わる度に内容を変更することは不可能であるため)
  7. 受託契約を締結している場合は、その企画旅行の企画者
    • 企画旅行のツアー名ではない
  8. 旅行業者代理業者は、所属旅行業者の登録番号・氏名または名称を記載
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