特別補償規程「携帯品損害補償金」

特別補償には、生命・身体に対する補償のほかに、手荷物の損害に対しての補償「携帯品損害補償金」も適用されます。適用範囲をみていきましょう。
支払われる範囲
企画旅行に参加する旅行者が、企画旅行参加中に生じた偶然な事故によって「補償対象品」(身の回り品)に損害を被ったときに支払われる。
※常に本人が携帯しているときに限る。他人が携行しているときに起きた事故は対象ににならない。
支払われない場合

携帯品損害補償金にも支払われない場合があります。携帯品損害補償金が支払われない場合の項目には、前項の「支払われない場合」と重複する項目もありますが、ここでは特に携帯品に関連する重要な項目を以下に列挙しました。
- 旅行者(世帯を同じくする親族)の故意(わざと破損させるなど)
- 補償対象品の瑕疵(持ち主でも見つけられなかった瑕疵は除く)
- 自然の消耗(サビ、カビ、変色、虫食いなど)
- 機能に支障をきたさない外観の損傷(移動中の荷物の搬送時についたキズ)
- 補償対象品(身の回り品)の液体漏れ
- ただし、その液体が他の補償対象品に損害を与えた場合、その損害を被った補償対象品は補償の対象となる。
- 置き忘れ、紛失
- ひったくり、強盗、火災などの偶然の事故で損害を受けた場合は補償の対象となる。
補償対象品に含まれないもの

以下は各物品は、補償対象品にならないため、携帯品損害補償金が支払われません。
- 現金、小切手、有価証券、定期券など
- クレジットカード、航空券、パスポート
- データ各種(原稿、帳簿、設計図など)
- USBなどの電子記録媒体(中のデータ)も含む
- 船舶、自動車、原付自転車
- それらの付属品も含む
- 登山用具、探検用具など
- 義肢、コンタクトレンズ、入れ歯など
- 動物、植物
- その他、旅行業者が指定するもの
携帯品損害補償金の支払額

携帯品損害補償金の支払い金額には限度額があります。
- 補償対象品の「価格」と「修繕(修理)」にかかる金額で、低いほうの金額が支払われる。
- 補償対象品の価格とは、壊れた時点の価値(価格・時価)をいう。(時間が経過すると当然に価値が下がるため)
ex.デジタルカメラ:5万円(使用による消耗で、時価3万円)、修繕(修理)費:3万5千円の場合、低いほうを支払額とするので、3万円が携帯品損害補償金として支払われる。
- 補償対象品の価格とは、壊れた時点の価値(価格・時価)をいう。(時間が経過すると当然に価値が下がるため)
- 損害額の上限は、対象品1個に対し10万円
- 損害額の上限は、旅行者1名に対し1企画旅行につき15万円
- 損害額が3,000円未満(超えない)の場合は、携帯品損害補償金は支払われない。(3,000円の場合は払われる)
- 旅行業者に故意または重大な過失がある場合は、15万円を超えた場合でも実損額を賠償しなければならない。
損害賠償請求権

旅行中に第三者が起こした事故により旅行者または手荷物に損害を被った場合はどうなるでしょうか。損害を受ける対象が「旅行者」か「手荷物」により、損害賠償の請求権者が変わります。「代位」と「第三者」というキーワードが出てきます。
代位と第三者
- 代位:旅行業者が旅行者に代わって請求すること。
- 第三者:旅行業者と関わりのない者。(路線バスの運転手、ホテルのベルボーイなど)
1.第三者から旅行者が被害を被った場合
ex.移動中の路線バスの事故で負傷した。
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- 旅行業者は旅行者に特別補償金を支払う。
- 旅行者は、第三者に対し、自身で損害賠償を請求することができる。
2.第三者から手荷物に損害を受けた場合
ex.ホテルのポーターが手荷物を落としてしまい、その結果、中のお土産を破損してしまった。
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- 旅行業者は旅行者に携帯品損害補償金を支払う。
- 旅行業者は、第三者に対し、旅行者に代わり補償金の限度内で損害賠償請求することができる。(代位)
確認テスト

確認テスト 旅行業約款「特別補償規程」
「特別補償規程」では、数字に関する問題が多く出題されます。金額や日数など、確認テストを使ってしっかりと覚えていきましょう。