運送約款 フェリー標準運送約款「賠償責任・義務・禁止行為」
フェリー標準運送約款「賠償責任・義務・禁止行為」
フェリー運送約款の最後の項になります。「賠償責任」「義務」「禁止行為」について、フェリー会社と旅客の立場からみていきましょう。
賠償責任
フェリー会社
1.責任を負う場合
- 旅客が船長または当社の係員の指示に従い、乗船港の乗降施設(改札口がある場合にあっては、改札口)に達した時から下船港の乗降施設を離れた時までの間に、その生命または身体を害した場合。
- 手回り品その他旅客の保管する物品の滅失、き損等により生じた損害については、船会社またはその使用人に過失があったことが証明された場合。
2.責任を負わない場合
- 運航の中止の規定による措置をとったことにより生じた損害。(船会社が責任を負う場合を除く)
- 以下のいずれかに該当する場合。
- 船舶に構造上の欠陥や機能の障害がなかったこと。
- 船会社やその使用人が当該損害を防止するために必要な措置をとったこと。
- 不可抗力などの理由によりその措置をとることができなかったことを証明した場合。
- 旅客または第三者の故意や過失により、または旅客がこの運送約款を守らなかったことにより損害が生じたことを証明した場合。
旅客
- 旅客が、故意や過失により、またはこの運送約款を守らなかったことにより船会社に損害を与えた場合は、フェリー会社は旅客に対し、その損害の賠償を求めることがある。
旅客の義務
- 乗下船や船内の行動に関し、船長または係員による輸送の安全確保と船内秩序の維持のための職務上の指示に従わなければならない。
- 船長は、指示に従わない旅客に対し、下船を命じることがある。
- 船室に持ち込んだ手回り品を自己の責任において保管しなければならない。
- 自動車の積込み及び陸揚げは、船長または船会社の係員の指示に従い、自動車の運転者が行う。
禁止行為
フェリー運送約款では以下のように旅客の禁止行為を掲げていますが、これらが全てではありません。記載のない事項についても旅客個人が航行の安全のために、最低限のルールや職務上の指示に従わなければなりません。
- 船舶の操舵設備や運航のための設備または船舶にかかわる旅客乗降用可動施設の作動装置を操作すること。
- 船舶内の立入り禁止区域内に立ち入ること。
- 船舶内の喫煙を禁止された場所で喫煙すること。
- 消火器、非常用警報装置、救命胴衣などの非常用装置・器具を操作したり移動すること。
- 自動車その他の貨物の横付けのための装置・器具を操作したり移動すること。
- タラップ、しゃ断機その他乗船者または自動車の乗下船または転落防止のための設備を操作したり移動すること。
- 乗船者または自動車の乗下船の方法を示す標識や乗船者の安全のために掲げられた標識・掲示物を損傷させたり移動すること。
- 石、ガラスびん、金属片など、旅客や積載物を損傷するおそれのある物を船舶に向かって投げたり発射すること。
- 海中投棄を禁止された物品を船舶から海中に投棄すること。
- 船員等の職務の執行を妨げる行為をすること。
- 他の乗船者に不快感を与え、または迷惑をかけること。
- 船内の秩序若しくは風紀を乱し、または衛生に害のある行為をすること。
確認テスト
確認テスト 運送約款「フェリー標準運送約款」
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