運送約款 国際航空運送約款「総則」




国際航空運送約款は、総合旅行業務取扱管理者試験の出題範囲になりますので、国内旅行業務取扱管理者試験には出題されません。総合の試験では毎年5.6問が出題されますので、国内航空運送約款と対比しながら効率よく学習しましょう。

 

運送約款
1.国内航空運送約款(空路) (ANA、JAL)
2.国際航空運送約款(空路) (ANA、JAL)
3.JR旅客営業規則(鉄道)
4.貸切バス約款(陸路)
5.フェリー標準運送約款(海路)

 

はじめに、国内航空運送約款の各用語についての説明します。※「JAL国際旅客運送約款」を基に解説しています。

定義(JAL国際運送約款から抜粋)
国際運送 条約が適用される場合の他、運送契約上の出発地、及び到達地または予定寄航地が2国以上にある運送をいう。この定義で使用する「国」には、主権、宗主権、委任統治、権力または信託統治の下にある全地域を含む。
航空券 旅客または手荷物の運送のため運送人はまたその指定代理店により発行される「旅客切符及び手荷物切符」若しくは電子航空券をいう。航空券には、運送契約の条件の一部及び諸通知が記載されており、搭乗用片及び旅客用片若しくは旅客控、または電子搭乗用片及びeチケットお客様控が含まれる。
搭乗用片(ようへん) 旅客切符の一部分で、運送が有効に行なわれる特定の区間を明記している用片をいい、電子航空券の場合は電子搭乗用片をいう。(複数の便を乗り継ぐ場合、それぞれの乗継便を搭乗用片といい、それらをまとめたものすべてを航空券という。)
関連航空券 同一の旅客に対し、ある航空券に関連しこれと結合して発行される航空券で、それらの航空券が一体となって単一の運送契約をなすものをいう。
eチケットお客様控 電子航空券の一部をなす書類で、旅程、航空券に関する情報、運送契約の条件の一部及び諸通知が記載されているものをいう。
手荷物 旅行にあたり旅客の着用、使用、娯楽又は便宜のために必要な、または適当な旅客の物品、身廻品その他の携帯品をいい、別段の定めのない限り、受託手荷物及び持込手荷物の両方を含む。
受託手荷物 運送人が保管する手荷物で、運送人が手荷物切符及び手荷物合符を発行したものをいう。
手荷物切符 受託手荷物を運送するための航空券の一部分で、運送人が受託手荷物の受領証として発行するものをいう。
手荷物合符(あいふ) 受託手荷物の識別のために運送人が発行する証票で、運送人により個々の受託手荷物に取付けられる手荷物合符(添付合符)と旅客に交付される手荷物合符(引換合符)とをいう。
到達地 運送契約上の最終目的地をいう。出発地に戻る旅程の場合は、到達地と出発地は同一。
途中降機 運送人が事前に承認したもので、出発地と到達地との間の地点で旅客が行う旅行の計画的中断をいう。
EMD 運送人またはその指定代理店により発行される電子証票、当該証票に記載されている人に対する航空券の発行または旅行のためのサービスの提供を要請する電子証票をいう。
MCO 運送人またはその指定代理店により発行される証票または電子証票で、当該証票に記載されている人に対する航空券の発行または旅行のためのサービスの提供を要請する証票または電子証票をいう。
SDR 国際通貨基金の定める特別引出権のこと。SDR建で示された額の各国通貨への換算は、訴訟の場合には、最終口頭弁論終結の日の当該通貨のSDR価値により、また、訴訟以外の場合には、支払うべき損害賠償金額の確定した日、または手荷物の価額を申告した日の当該通貨のSDR価値により行なうものとする。
フランス金フラン 純分1000分の900の金65.5ミリグラムからなるフランスフランのこと。フランス金フランは、各国の通貨の端数のない額に換算することができる。

 

国際航空運送約款はどのように適用されるのでしょうか。

約款の適用(JAL運送約款)
1.旅客または手荷物の運送は、航空券の最初の搭乗用片により行われる運送の開始日に有効なこの約款及び会社規則の定めに従う。
2.会社の国内線のみの運送に関する約款が適用される場合を除き、この約款は、条約と抵触しない範囲において、この約款に関連して公示された運賃、料率及び料金により会社が行う旅客または手荷物のすべての運送及びこれに付随するすべての業務に対して適用される。
適用法令等により禁止される場合を除き、運送約款及びそれに基づいて定められた会社規則を変更できるものとし、変更する際は相応の期間をもって、ホームページへ掲示等の適切な方法により、運送約款の変更内容等を告知する。ただし、当該変更は、運送開始後においては当該運送に関わる契約条件を変更しない。

 

次に年齢区分です。国内航空運送と国際航空運送では「幼児」の年齢区分に違いがあるので注意しましょう。

年齢区分
国内 国際
幼児 生後8日以上3歳未満 2歳未満
小児 3歳以上12歳未満 2歳以上12歳未満
大人 12歳以上 12歳以上

 

国内航空運送約款においても共同運航便(コードシェア便)の規定がありました。それでは、国際航空運送約款ではどのような規定が用いられているか確認してみましょう。

共同運航便(コードシェア便)
航空会社が、他の運送人(航空会社)とコードシェア契約を締結し、他の運送人(航空会社)が運航する便に航空会社の便名を付与し、旅客と契約する運送を行うこと。
1.航空会社は、予約の際、運航する他の運送人(航空会社)を旅客に通知する
2.コードシェア便において、下記の項目については、運航を行う他の運送人(航空会社)の規則が適用となることがある(その区間を運航する運送人(航空会社)の規則が適用される)
①他の運送人(航空会社)の都合による経路等の変更に関する事項
搭乗手続に関する事項
③運送の拒否及び制限に関する事項
手荷物の運送の制限、無料手荷物許容量及び超過手荷物料金並びに動物運送の引受に関する事項
予約の取消に関する事項
⑥コンティンジェンシープランに関する事項
コンティンジェンシープラン(Contingency Plan)とは
アメリカを発着または経由する航空機が、事情により長時間にわたり乗客を機内で待たせる場合、各航空会社が乗客への対策として対応するプランのこと。(緊急対応プラン)
例)
・一定の時間経過後に、飲食物の提供を行う
・トイレの使用を許可する
・可能な限り、乗客に対し状況の報告をする

確認テスト 目次

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