運送約款 フェリー標準運送約款「運賃及び料金・乗船券・乗船変更・払戻し」




運賃及び料金についてみていきましょう。フェリー会社が旅客から収受する運賃及び料金は、地方運輸局長届出て実施しています。

運賃及び料金
1.旅客の食事代は含まれていない
2.以下に該当する小児の運賃及び料金は無料になる
1歳未満の小児
②大人に同伴されて乗船する1歳以上の未就学の小児(1人まで)
3.以下に該当する場合、小児運賃及び料金が必要
団体として乗船する小児、大人に同伴される2人目以降の小児
②指定座席または寝台を1人で使用する場合
3.重量の和20kg以下の手回り品の料金は無料(手回り品の最大重量は30kgまで)
4.旅客が使用する車いす、証明書がある身体障害者補助犬の料金は無料
5.自動車航送運賃には、運転者1人の2等乗船券が含まれる

 

乗船券についてみていきましょう。乗船券の効力や通用期間、目的地の変更、また紛失してしまった場合や払戻す場合、、詳しく解説していきます。

乗船券の効力
1.乗船券は、券面記載の乗船区間、通用期間、指定便(乗船年月日及び便名又 は発航時刻が指定されている船便)、等級及び船室に限り、使 用することができる
2.旅客がその都合により乗船券(定期乗船券を除く)の券面記載の乗船区間内で 途中下船した場合には、当該乗船券の前途は無効となる
3.定期乗船券は、記名本人に限り使用することができる
4.運賃及び料金が変更された場合、その変更前に発行した乗船券は、その通用期間内に限り有効(変更前の料金が適用される)

 

鉄道もキロ数によりその有効期間が決まりましたが、フェリー乗船券も同様に乗船距離により乗船券の通用期間が決められます。

片道乗船券の通用期間
100km未満 発売当日限り
100km以上200km未満 発売当日を含めて2日間
200km以上400km未満 発売当日を含めて4日間
400km以上 発売当日を含めて7日間
往復乗船券 片道乗船券の期間の2倍
回数券 発売当日を含めて2ヶ月間
通用期間の例外
疾病その他旅客の一身に関する不可抗力または運航の中止等により乗船が延期になったり継続して乗船することが できなくなった場合
・乗船券の未使用区間について、7日間を限度として通用期間を延長する

 

乗船日時や区間の変更、乗越し、紛失についてみていきましょう。

乗船変更
1.乗船券の通用期間終了前の変更
・乗船券(回数乗船券及び定期乗船券を除く)の通用期間の終了前に変更を申し出た場合、1回に限り、変更の取扱いに応じる
・変更しようとする船便等の輸送力に余裕がない場合は、変更できない場合がある
・変更が可能な場合は、当該変更に係る手数料無料とし、既に収受した運賃及び料金の額との間に差額が生じるときは、不足額があればこれを申し受け、過剰額があればこれを払い戻す
2.指定便発航後の乗船変更の特例
・発航後に乗船船便の変更を申し出た場合(乗遅れなど)
・乗車券の券面記載の乗船日に発航する他の船便の輸送力に余裕がある場合に限り、乗船券による2等船室への乗船変更の取扱いに応じる
乗越し等
旅客が乗船後に乗船券の券面記載の乗船区間等級又は船室の変更を申し出た場合
・その輸送力に余裕があり、かつ、乗越し又は上位の等級若し くは船室への変更となる場合に限り、その変更の取扱いに応じる
※乗船区間を短くしたり、現在の等級や客室より下のランクへの変更はできない。
・変更後の乗船区間、等級及び船室に対応する運賃及び料金の額と既に収受した運賃及び料金の額との差額を申し受け、これと引き換えに補充乗船券を発行する
乗船券の紛失
1.旅客が乗船券を紛失したとき
改めて運賃及び料金を申し受け、これと引き換えに乗船券を発行する
※乗船するには乗船券を再購入しなければならない。
・船会社は証明書(紛失証明書)を発行する
※乗船券を所持して乗船した事実が明白である場合、この規定を適用しないことがある。
2.紛失した乗船券を発見したとき
・通用期間の経過後1年以内に限り、紛失証明書を添えて運賃及び料金の払戻しを請求することができる

 

他の運送約款と同様に、フェリー運送約款においても不正乗船等に関する厳しい規定が記されています。

不正乗船等
旅客が以下に該当する行為をしたとき、運賃及び 料金の他に2倍に相当する額の増運賃及び増料金をあわせて申し受けることがある。
・乗船港が不明のときは当該船便の始発港を乗船港とみなす
・乗船した等級が不明のときは当該船舶の最上等級を乗船したとみなす
1.船員等の承諾を得ないで、乗船券を持たずに乗船すること
2.無効の乗船券で乗船すること
3.記載事項が改変された乗船券で乗船すること(故意に書き換えること)
4.当該乗船券を使用することができる者以外の者がこれを使用して乗船するこ と
5.当社の係員が乗船券の提示を求め、又は運賃及び料金の支払いを請求してもこれに応じないこと
6.不正の申告によつて、運賃及び料金の割引を受け、又は運賃及び料金を支払わずに乗船すること
7.乗船券を回収する際にその引渡しを拒否すること

 

最後に、乗船券の払戻しとその手数料についてです。

乗船券の払戻し
払戻し時期・条件 払戻し額
1.入鋏(にゅうきょう)前の船便の指定のない乗船券の通用期間内に払戻しを請求した場合
※回数券、定期券を除く。
券面記載金額(割引がされているときは、その金額)
2.入鋏前の指定便に係る乗船券の指定便の発航前に払戻しの請求をした場合 券面記載金額
3.死亡、疾病その他旅客の一身に関する不可抗力により、乗船することを取り止め、または継続して乗船することができなくなったことを証明した場合で、乗船券の通用期間の経過後30日以内に払戻しの請求をした場合 券面記載金額と既使用区間に対応する運賃及び料金との差額
4.入鋏前の回数乗船券について、その通用期間内に払戻しの請求をした場合 券面記載の乗船区間の回数割引前の運賃及び料金の額に使用済券片数を乗じて得た額を券面記載金額から控除した額
5.定期乗船券について、その通用期間内に払戻しの請求をした場合 券面記載の乗船区間の往復の運賃及び料金の額(往復割引があるときは、割引後の運賃及び料金の額)に使用開始日以降の経過日数を乗じて得た額を券面記載金額から控除した額
6.特別急行料金または急行料金を収受する急行便が、当該急行便の所定の所要時間以内の時間で船会社が定める時間以上遅延して到着した場合において、当該急行便の旅客が払戻しの請求をした場合 収受した特別急行料金または急行料金
7.運航の中止の措置をとったことにより、旅客が運送契約を解除し払戻しの請求をした場合 券面記載金額と既使用区間に対応する運賃及び料金との差額
8.運送引受けの拒否事項の規定により運送契約を解除した場合 券面記載金額と既使用区間に対応する運賃及び料金との差額
9.旅客が紛失した乗船券の払戻しの請求をした場合(紛失したが後に発見された乗船券 券面記載金額
払戻手数料
1.入鋏前の船便の指定のない乗船券200円(一律)
2.入鋏前の指定便の発航前に払戻し
時期 払戻手数料
発航日の7日前まで 200円
発航日の前々日まで 券面記載金額の10%に相当する額
※その額が200円に満たないときは200円
発航時刻まで 券面記載金額の30%に相当する額
※その額が200円に満たないときは200円
出港後 券面記載金額の100%

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