運送約款 国内航空運送約款「責任」


国内航空運送約款の最後の項になります。この項では航空会社が負う責任について解説していきます。責任は 1.旅客、2.手荷物の2つに対して負うことになります。
責任 |
1.旅客の死亡または負傷その他の身体の障害の場合に発生する損害について賠償する ・損害の原因となった事故または事件が航空機内で生じたとき ・乗降のための作業中に生じたとき ※航空会社及び使用人が、その損害を防止するため必要な措置をとったこと、またはその措置をとることができなかったことを証明したときは賠償しない。 |
2.受託手荷物その他の会社が保管を受託した旅客の物の破壊、滅失、紛失または毀損の場合に発生する損害について賠償する ・損害の原因となった事故または事件が、その手荷物または物が航空会社の管理下にあった期間に生じたものであるとき ※航空会社及び使用人が、その損害を防止するため必要な措置をとったこと、またはその措置をとることができなかったことを証明したときは賠償しない。 |
3.持込手荷物その他の旅客が携行しまたは装着する物の破壊、滅失、紛失または毀損の場合に発生する損害について賠償する ・会社またはその使用人に過失があったことを証明された場合 |
4.法令及び官公署の要求、航空保安上の要求(テロ、ハイジャック)、悪天候、不可抗力、争議行為、騒擾、動乱、戦争、その他のいずれかに生じたやむを得ぬ事由のために必要な措置をとったことにより生じた損害については、上記1.2.3により会社が責任を負う場合を除き、賠償責任を負わない。 |
5.手荷物の責任限度 ・旅客1名につき15万円が限度 ※「従価料金」を支払った場合、その申告額を限度とする。 |
6.受託手荷物の受取 ・旅客の受託手荷物は、搭載量やその他やむを得ない事由により、旅客が搭乗してる機体以外で運送されることがある ・到着地での受託手荷物の受取は、個人の責任のもとに手荷物合荷を照合して受取らなければならない ・受託手荷物の引渡しを行う場合には、「手荷物合符」の持参人が、当該手荷物の正当な受取人であるか否かを確かめなかったことにより生ずる損害に対し賠償責任を負わない ※航空会社は手荷物合符の確認をしないので、そのことによって旅客が他人の手荷物を受取ったなどのトラブルが起こっても、会社は責任を負わない。 |
7.相次運送の場合の責任 違う航空会社(運送人)の便を乗り継ぐ場で、それが1冊の通しの航空券になっている場合に損害が発生した場合、原則その損害が発生した区間を運送した航空会社(運送人)に対してのみ賠償を請求することができる。 例) 羽田-Vancouver間をANA便、Vanouver-Toronto間をAirCanada便を通しの航空券で購入し、羽田-Vancouver間で損害が発生した場合、旅客はANAに対してのみ賠償を請求できる。 |
8.受託手荷物の破損の場合 ・旅客は一定の期日までに旅行会社に対し損害の通知を文章で行わなければならない ANA:受取日の翌日から7日以内に通知 JAL:受取日から7日以内に通知 ※「文章」とは、「破損手荷物申告書」を記入すること。 |
9.受託手荷物の紛失の場合 ・旅客は一定の期日までに旅行会社に対し損害の通知を文章で行わなければならない ANA:受取るはずであった日の翌日から21日以内に通知 JAL:受取るはずであった日から21日以内に通知 |
受託手荷物の紛失・破損、その他(引取り忘れ、引取り間違い)についての詳しい情報はANAまたはJALのホームページをご参照ください。