旅行業約款 募集型企画旅行契約「責任・旅程保証」

旅行中にケガをした、盗難にあった、航空機から列車に変更になった、移動中にスーツケースを紛失した などなど、旅行には想定外の事故や変更を余儀なくされる場合があります。この予期しない事態にについて、誰がどの様なときにどの様な責任を負わなければならないのか、詳しく見ていきましょう。

責任とは・・・
責任とは、金銭を支払うことにより負うことをいう。

では、金銭の支払いについて、どのような状況の時に支払(責任)義務が発生するのでしょうか。大きく分けて3つの状況があります。

3つの責任(義務)
1.損害賠償
旅行業者の故意または過失があり、そのことにより旅行者が被害を受けたとき
2.特別補償
旅行業者に故意または過失がない場合でも、旅行者が一定の損害を受けたとき(旅行業者が介入している旅行保険で補填している)
3.旅程保証
・旅行日程や旅行サービス内容が契約書面と異なる内容で提供されたとき
(債務不履行として、旅行者が損害を受けたか否かにかかわらず、変更保証金を支払わなければならない)

この3つの支払いは重複して支払われる場合があります。重要ですのでこの3つの関係をしっかり覚えておきましょう。

損害賠償と特別補償
旅行業者の故意・過失の有無 損害賠償 特別補償
ある
ない
※損害賠償と特別補償は重複する。
※特別補償は、旅行業者の故意・過失に関係なく、一定の条件で支払われる。

損害賠償と旅程保証
(重要な契約内容の変更について)旅行業者の故意・過失の有無 損害賠償 旅程保証
ある
ない
※損害賠償と旅程補償は重複しない

損害賠償は金銭を支払うことで責任を負うことになりますが、支払う内容は以下の2つに分かれます。
1.損害が手荷物に生じた場合
2.損害が手荷物以外に生じた場合(旅行者

損害賠償
手荷物以外(旅行者) 手荷物
・旅行業者、手配代行者の故意・過失があること(手配業者も含まれることに注意
旅行者に損害があること
・因果関係があること(損害が発生したことについて原因と結果があること)
例)手配業者の手続きミスにより乗るはずだった飛行機に乗れなかった。
損害が発生した日の翌日から起算して2年以内に、旅行者が通知する。 損害が発生した日の翌日から起算する。
・国内-14日以内、海外-21日以内
・旅行者が通知する
賠償額の制限なし 1名につき15万円を限度とする。
※故意または重大な過失の場合は、この限度は適用されない。

「契約の解除 旅行者からの解除(旅行開始前)」で重要な契約内容が変更されたときに、取消料を支払うことなく契約を解除できるとありましたが、この重要な内容変更の項目が「変更保証金」として払われる項目ですので、以下の9項目をしっかり覚えましょう。

変更補償金が支払われるまでの流れ
↓契約書面(確定書面)の交付
↓重要な契約内容が変更される
契約の解除 or 旅行終了後に変更保証金の受取り
旅行開始前に契約を解除した場合は、変更補償金は支払われない

「変更保証金」は旅行開始前や開始後にかかわらず「契約書面」に記載された内容に重要な変更がなされた場合、旅行終了後に支払われますが、支払われる額の計算方法(%)は、旅行開始前と開始後で異なります。(開始後は開始前の2倍になる)

変更保証金が支払われる重要な変更項目(9項目) 開始前(%) 開始後(%)
1.旅行日程(開始日、終了日) 1.5 3.0
2.観光地、観光施設の変更(美術館、レストランなど) 1.0 2.0
3.運送機関の等級(指定席⇒普通席)
※契約書面に記載した合計額より下回った場合に限る。
1.0 2.0
4.運送機関の種類、会社 (飛行機⇒電車、JAL⇒ジェットスター) 1.0 2.0
5.国内(本邦内)の旅行開始地または終了地の変更
(成田発JAL便⇒羽田発JAL便)
1.0 2.0
6.国内(本邦内)と国外(本邦外)の直行便が乗継(経由)便に変更
(成田~バンクーバー ⇒ 成田~シアトル~バンクーバー)
1.0 2.0
7.宿泊施設の変更、客室のグレード変更(Aホテル⇒B旅館) 1.0 2.0
8.宿泊施設の客室、設備、景観、条件の変更(スイート、風呂トイレ共同、オーシャンビュー、禁煙室など) 1.0 2.0
9.前項目の変更で、契約書面のツアータイトルに記載があった事項の変更(ツアータイトルの変更になった内容が、1から8の内容の変更に入っている場合。
例)
・A先生と行く大連旅順の旅 ⇒ B先生と行く大連旅順の旅
(重要な変更にならない。A先生とB先生の変更が1から8の項目の変更対象になっていない。)
・Aレストランで楽しむツアー ⇒ Bレストランで楽しむツアー
(重要な変更になる。「2.観光地、観光施設の変更」にあたる。)
2.5 5.0
オーバーブッキングのときは、変更保証金は支払われる 。
・オーバーブッキングにより他のホテルに宿泊することになった場合、「7.宿泊施設の変更、客室のグレード変更」に該当するので、変更補償金は支払われることになる。

以下は変更補償金が支払われない場合です。

変更補償金が支払われない場合
1.天災地変、戦乱、暴動、官公署の命令などによる契約内容の変更
※天災地変とは、台風や落雷などの自然現象のこと。
2.運送・宿泊機関のサービス提供の中止
・完全に中止になることが条件
・一部の客室が使用できないために不足が生じた場合 ⇒ オーバーブッキングとなり、変更補償金が支払われる
3.運送計画の変更(天災地変による遅延など)
4.旅行参加者の生命または身体の安全確保のための必要な措置
5.契約が解除されたとき、その後の契約内容に係る変更
6.旅行業者に損害賠償が発生することが明らかな場合(上の表を参照)
※変更補償金を支払った後に旅行業者の損害賠償責任が明らかになったときは、旅行業者は、変更保証金を返還することになります(形式上)。 ただし、実際は既にに受け取った変更補償金と損害賠償金を相殺するかたちをとっています。
例)損害賠償金が8.000円で既に受け取った変更補償金が3.000円の場合、旅行業者は、残りの5.000円を支払うことにより相殺が完了します。

変更保証金は以下の条件のもと支払われます。

変更保証金の支払い
1.旅行終了日の翌日から起算して30日以内
・旅行開始前に旅行者が契約を解除した場合、変更保証金は支払われない。
2.旅行者1名に対して1募集型企画旅行につき、旅行代金に15%以上の率を乗じた額を限度
・旅行業者は15%以上の率で変更保証金の支払い限度額を設定する。(15%でも良い
例)旅行代金が5万円の場合、旅行開始前に日程が変更(1.5%)、開始後に観光地が変更(2%)、ツアータイトル中に記載があった事実が変更(5%)⇒トータル8.5%なので、4.250円の変更保証金が支払われる。
変更補償金の上限を15%と設定した場合、旅行代金5万円の15%、7.500円を上限として支払われる。
3.変更補償金の合計が1.000円未満のときは支払わない。
4.オーバーブッキングのときも変更保証金は支払われる。
・結果的に他のホテルに宿泊することになるので、上の表「7.宿泊施設の変更、客室のグレード変更」に該当し、支払われることになる。

最後に、旅行者にも旅行に参加するにあたり守らなければならない事をまとめました。

旅行者の義務・責任
1.旅行者の故意・過失で旅行業者に損害を与えたときは、損害賠償の責任が発生する。
2.契約の内容を理解するように努める。
・契約後に問題が発生しないように、契約の際はしっかりと契約内容を確認する。
3旅行開始後に契約書面と違うサービスを受けたと思ったときは、旅行地(その場)において速やかに申し出る。

確認テスト 目次



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