旅行業約款 募集型企画旅行契約「総則」


国内旅行業務取扱管理者試験で出題される約款は「旅行業約款」「運送約款」「宿泊約款」です。その中の旅行業約款の出題数が全体の8割を占めます。また、旅行業約款の中の募集型企画旅行契約から7割も出題されますので、これから学ぶ「募集型企画旅行契約」が非常に重要になります。

企画旅行の種類


企画旅行契約には「募集型」「受注型」の2つがあります。これから解説する「募集型企画旅行契約」がメインで出題されますので、この項で「募集型企画旅行契約」をしっかりと学習して、次の項で解説する「受注型企画旅行」や「手配旅行契約」との相違点を意識しながら試験に備えましょう。
  1. 募集型企画旅行(パッケージツアー)
    • 旅行業者が旅行者の募集のために、あらかじめ目的地・日程・運送宿泊サービス・対価(旅行代金)などの旅行に関する計画作成実施する旅行のこと
  2. 受注型企画旅行(社員旅行、修学旅行)
    • 旅行者からの依頼により目的地・日程・運送宿泊サービス・対価(旅行代金)などの旅行計画作成実施する旅行のこと

企画旅行契約の義務(募集型・受注型)


企画旅行契約には「サービスを手配する業務」と「旅程を管理する義務」の2つの義務があります。試験にも問われる非常に重要な部分ですのでしっかりと覚えましょう。
  1. サービスを手配する業務
    • 旅行日程に従って運送・宿泊・その他の機関が提供する旅行サービスを手配する
  2. 旅程を管理する業務

旅行業約款の適用範囲

約款とは

旅行会社や運送・宿泊機関が不特定多数の顧客と取引をする場合、業務の効率化と迅速化を図るために、あらかじめ作成された定型的契約条項のこと。


旅行業者等と旅行者の間で締結する旅行契約は、「旅行業約款」に基づいて行われます。
  1. 約款の規定に従う
    • 原則的に(標準)旅行業約款が適用される
  2. 約款に規定されていないものは、法令または一般に確立された慣習に従う
  3. 特約を結ぶこともできる(旅行業者と旅行者)
    • 法令に反しないこと
    • 旅行者の不利にならないこと(約款と比較した場合)
    • 特約を結んだ場合の優先順位:特約>約款>法令・一般に確立された慣習
  4. 書面契約を結ぶこと

手配代行者


旅行業者は、サービスの手配を他の旅行業者や手配業者に代行させることができます。
  1. 手配の全部または一部を代行させることができる(手配業者、現地ガイド、補助者など)
  2. 本邦内・本邦外の制限なし

国内・海外旅行の定義


国内旅行と海外旅行は、以下の定義によって区別されます。
  1. 国内旅行
    • 日本国内(本邦内)のみの旅行
  2. 海外旅行
    • 「国内旅行」以外の旅行
      ex.札幌⇨東京⇨LA⇨東京⇨札幌
      札幌⇨東京は国内の移動であるが、この場合も「海外旅行」として扱われる 

通信契約


旅行業者と旅行者の間でかわされる旅行契約のひとつに通信契約があります。正直なところ、問題にするほど重要なのか少し疑問ですが、出題範囲ですので確実に得点しましょう。

下記の条件を満たすと通信契約になる

  1. 通信手段による申し込み
    • インターネット・電話・郵便・Faxなどの通信手段を利用して締結する契約
  2. 通信手段によるクレジットカード決済
    • クレジットカード会社と会員(旅行者)との間の決済契約
    • 旅行会社と提携しているカード会社の会員規約による決済
      旅行業者等⇔クレジットカード会社⇔旅行者
  3. 通信手段による旅行者承諾
    • 窓口などで直接契約をしないので、事前の承諾が必要になる
      ex.インターネットの「同意します」にチェックを入れる

通信契約にならない事例

以下の事例は、通信契約にならない

  1. インターネットで申し込んだが、窓口でクレジットカード決済をした
  2. 窓口で申し込み、後日ネット上でクレジット決済をした
  3. サイトから申し込んだが、旅行代金を旅行業者の指定する金融口座振り込んだ

クレジットカード決済


通信契約にいうクレジットカード決済に関する定義は以下のとおりです。

カード利用日契約締結日

    1. 旅行者または旅行業者が募集型企画旅行契約のため旅行代金等の支払いや払戻しを履行すべき日は、手続きのためカード利用日とする
    2. カード利用日と実際に決済される日が異なるため、通信契約を締結するときは、カードが使われた日(利用日)を契約が締結すべき日と定めている

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