海外旅行実務 出入国実務 「査証・出入国手続」

出入国実務 「査証・出入国手続」

私達が普段空路で海外旅行をする場合、以下のような手順で出入国手続をしています。

出国手続き

1.搭乗手続(チェックイン)
  • 搭乗券
  • 持込手荷物、受託手荷物(Claim Tagを受取る)
  • 有効な査証(ビザ)の確認
2.保安検査
  • 持込手荷物の検査
  • 金属探知機による身体検査
3.税関手続(Customs)
  • 外国製品「外国製品の持出し届」、免税品「輸出証明申請書」等の申告など
4.出国審査(Immigration)
  • 出国する人物の把握および確認(犯罪歴の有無や係争中の裁判の被告人、出国の制限を受けている場合など)
5.搭乗(出国)

 

入国手続き

1.検疫(Quarantine)
  • 検疫感染症流行地域に滞在していた者や、その地域にある空港を経由する航空機を利用した者は、「検疫質問票」に記入し、検疫カウンターで検疫官に提出する。
2.入国審査
  • 旅券(パスポート)、査証(ビザ)の提示
3.動植物検疫
  • 受託手荷物を受取った後、動植物を持ち込む場合に検疫を受ける。
4.税関(Customs)
  • 「携帯品・別送品申告書」2通を提出する
5.帰国

 

出入国のスタンプ押印について

2019年7月以降の「顔認証ゲート」の導入により、このゲートを利用した者は、査証(パスポート)への出国印・入国印がされなくなった。
※証印を希望する場合、「顔認証ゲート」の通過後(出国手続時は航空機への搭乗前、帰国手続時は税関検査前)、「顔認証ゲート」後方に待機する職員に申し伝える。
(法務省ホームページ参照)

 

アメリカの特別な出入国手続

事前入国審査(プレクリアランス)

1.空路でアメリカに入国する場合
  • 入国前の空港(出発地)で入国審査・税関審査をおこなう制度。入国前の空港で事前チェックをおこなうことにより,上陸拒否事由に該当する外国人の渡航を事前に取りやめさせたり、米国内で行う活動が虚偽のものでないことを現地の空港で確認することにより,入国する空港での審査の簡素化を図り、待ち時間の短縮や不法滞在者の発生を抑制するもの。
ex.東京 ⇨ カルガリー ⇨ シアトル の場合
カナダ・カルガリーでアメリカの入国審査・税関検査がおこなわれる。
・カナダの主要空港:トロント、モントリオール、カルガリー、バンクーバー、オタワなど
・その他の国:アイルランド(ダブリン)、アラブ首長国連邦(アブダビ)など
2.アメリカ内で乗り継ぎ、または経由で他国に向かう場合
  • アメリカで最初に到着した空港で入館審査・税関検査をおこなう制度。
ex.東京 ⇨ ロサンゼルス ⇨ シアトル の場合
ロサンゼルスの空港で入国審査・税関検査がおこなわれる。

ex.東京 ⇨ ロサンゼルス ⇨ リマ(ペルー)
ロサンゼルスの空港で入国審査・税関検査がおこなわれる。

 

ヨーロッパの出入国手続

EUとは

EC(欧州共同体)を前身として、1992年2月のマーストリヒト条約の調印によりEU(欧州連合)が誕生した。経済通貨同盟、共通外交・安全保障政策、警察・刑事司法協力等のより幅広い分野での協力を進めている政治・経済統合体。

 

シェンゲン協定

ヨーロッパ諸国間で出入国審査なしに自由に国境を越えることを認める協定で、加盟国の最初の国で入国手続を行うと、それ以降の加盟国内での移動に出入国手続が不要となる。
(外務省シェンゲン協定加盟国一覧)

  • 日本人旅行者の滞在期間は、最長90日まで
    ※最初の入国日から180日間に、全ての滞在国での滞在日数の合計が90日まで滞在が可能。
  • 日本国籍のパスポートの場合、過去10年以内に発行され、出国予定日に3ヶ月以上の残存有効期間が必要。
  • ビザなしで入国が可能

 

加盟国一覧

※50温順

    EU加盟国 シェンゲン協定 ユーロ
1 アイスランド クローナ
2 アイルランド
3 イギリス ポンド
4 イタリア
5 エストニア
6 オーストリア
7 オランダ
8 キプロス
9 ギリシャ
10 クロアチア
11 スイス フラン
12 スウェーデン クローナ
13 スペイン
14 スロバキア
15 スロベニア
16 チェコ コルナ
17 デンマーク クローネ
18 ドイツ
19 ノルウェー クローネ
20 ハンガリー フォリント
21 フィンランド
22 フランス
23 ブルガリア レフ
24 ベルギー
25 ポーランド ズロチ
26 ポルトガル
27 マルタ
28 ラトビア
29 リトアニア
30 ルーマニア レイ
31 ルクセンブルグ
  リヒテンシュタイン スイスフラン

(外務省ホームページ

 

旅行者免税制度

  • EU内で買い物をした場合、付加価値税VAT:Value Added Tax)が払い戻される制度。
  • EU出国時に現品と免税書類を税関に提出して申告する。

 

海外安全情報

1.海外危険情報

レベル1:十分注意してください。
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
※「勧告」=一定の措置をとることを勧めるまたは促す行為。法的拘束力を持たない。
(外務省海外安全ホームページ

2.感染症危険情報

(外務省ホームページ

3.スポット・広域情報

(外務省ホームページ

 

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第4章 海外旅行実務 目次

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